体はドクペで出来ている

インフラ、Goの割合が多い技術ブログ

書評 カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで

はじめに

この本は開発の現場で実際にありそうな問題・困難を題材にアジャイル開発を解説する本です。

www.shoeisha.co.jp

主人公である江島さんが問題を抱えたプロジェクトの中で七転八倒しつつも自らの努力と周囲の協力を得て解決、成長していくというのが大筋の流れです。全部で3つの部に分かれており、第1部では自分一人での取り組み、第2部ではチームを対象にした取り組み、第3部では社外のステークホルダーも巻き込んだ取り組み、といった具合に取り扱う問題が徐々に大きくなる構成になっています。いずれもある程度IT業界で仕事をしたことがある方であれば似たような事例を体験したことがありそうで妙な共感を覚えました。

解説はアジャイル開発が大きな割合を占めますが、紹介される手法は開発以外の職種でもできようできそうなことが多々ありますので現状に何らかの問題・不満がありつつもどう改善していけばよいのかわからず行動に移せていない人にとっても有用ではないかと思います。

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書評 O'Reilly マイクロサービスアーキテクチャ

はじめに

この本の原書は2015年に発売された Building Microservices で、その翌年に 日本語版 が発売されました。原著者であるSam Newman氏は米ThoughtWorks社に務めるエンジニア *1 で、同社に在籍するMartin Fowler、Jim Highsmith両氏 *2 が提唱したアーキテクチャーをまとめあげたものです。

内容の目玉となるのはやはりタイトルの通り「マイクロサービスはどのようなものであるか」「どうモデル化するか」「各サービスをどう統合し一つのアプリケーションとして動作させるか」等というところでしょう。しかしそれだけに留まらず、分散システム一般の課題や、テスト・運用をどう行うべきかという範囲にも言及されています。大きくわけて前半が「マイクロサービスとは何か、どう考えて設計するか」が書かれ後半で「開発、運用に関する知見」が書かれているという構成になっています。

以下私が参考になった点を箇条書きで書き出して行き最後に感想を書きますので、興味のあるワードがあれば実際の書籍を手にとって見るとよいでしょう。

*1:ここでいう「エンジニア」は日本的な意味合いの表現であり、同社における肩書ではありません

*2:アジャイルソフトウェア宣言 の著者17名の内の2人

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VS Code Remote のWSL接続を試した

はじめに

5/2にリリースされたInsiders版でVS Code Remoteなる機能が搭載されました *1 。これはVS CodeからSSH等で外部の端末に接続しVS Codeそのものの実行環境とは別の環境を統合して扱うことができる、というものになります。

公式の手順にWSL版があったので試してみました *2

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